2006年10月31日

ShortDrive

お昼前
「今日のお昼何にしますか?」
「チョット待って、外に食べに行こうよ」

12時半過ぎに出発。
清泉寮の前から八ケ岳横断道路に抜ける。
行きかう観光客の方は年配の方が大半。

「今年の紅葉、今ひとつかな?」

横断道路の途中、「風林火山館」の旗と看板。
「やってるやってる」と多少苦笑気味
「寄って見たいな」の声を無視し、向うは富士見高原の先の横断道路終わり近くのレストラン。
我愛車快適に極めてスムースに加速。

レストランの中に一渡り目を通し。
ウエイトレスの方に案内される前にテラスへ
(自身の行動、少々品がなかった、いや、傍若無人の振舞かな?)と反省。
座った途端に膝が寒い。
席を変えて中に入ろうと思った瞬間、「毛布如何ですか?」と二枚の毛布を差し出された。
暖かな心づかい。


選んだ二品


ワンショットづつ乱撮り。
酷い写真で、お店の方に申し訳なかったのですが。

お味は最高。

値段も確かにリーズナブル。
雰囲気と味に相応したお支払い。

途中懐かしの美濃戸口への案内を横目に見て、反対方向に。
諏訪インターへ目指しました。
直ぐの所に「種苗管理センター八ケ岳農場」とあったが、
馬鈴薯農場前の名前の方が懐かしい。

真っ直ぐ降りるはずが、やたらと左折を案内する。
「おかしいな??」

多くのビニールハウス群にウンザリ。


何とか、ハウスのない所で、またワンショットだけ。
この道、原村?
聞いた様な気がする、原村別名ビニールハウス村。

八ケ岳を入れる風景を上手く撮りたかったのですが、最後の一枚諦め、気に入らない道と‥‥‥

アレッ?アレッと首を傾げながら着いたのが、諏訪南インター
そうか、あの馬鈴薯農場から東京方面は諏訪南インターをナビするのか。

諏訪南インターから高根長坂インターまででは
ドライブにかなり不完全燃焼の感残したまま帰宅。
もう少し高速をロングで快適にドライブしたかったのに。

所要時間3時間足らず。
短すぎたな、次回はもっと華麗に優雅にドライブしよう!


種苗管理センター八ケ岳農場。
ピントこない名前。
ここは馬鈴薯農場前なのだ。

確かにあの日のあの景色と僅かに違いはあるけれど。
大方はあの日と変わらない。
当然のように、あのぶっ壊れそうだった、バス停の小屋はないが。
またまた、ここを通る事になった。
ハンドルさばきは軽快だけれど。
心の中には、少しだけのほろ苦い風が吹く。

晩秋の八ケ岳山行。
山はすでに冬の装いだった。

あの日『この恋も終わりなん』だとの予感があった。
肩をもみ、肩をたたく。
心の中には軽快な肩をたたく音が伝わっていたはず。
あの時、まだ学生だった私にできるのは、青い空から眩しいほどの降る注ぐ日差しを浴びて、奇妙に柔らかい空気の中、肩に触れるだけだった。
それは精一杯の優しさだった。

その数時間前、心に突き刺さる言葉。
「貴方が卒業する頃、私は24よ。私をそんなに待たせるの?」

道すがら、「岳人の歌」を口伝えに教えた。

その日の前の夜
「心だけでは駄目なの」

終焉の予感をさせるに十分でしょう。

晩秋の冷たいはずの風は、何故か心地よかった。

学園紛争の吹き荒れていたあの頃。
延び延びになる授業、試験に変わるレポート提出。
二人だけで行くはずだったスキー旅行。

「何時になったら行けるの?」
待ってくれなかった、スキー旅行。

三人での形ばかしのスキー旅行に変わった。

暑い八月の終わり頃。
その人は我が家に、三日ほど泊まって帰った。

帰るその日の朝。
祖父は言った。

「何か して欲しい事はないのか?」
「いいえ何もありません」

その言葉で、すべて、幕を引いた。