2012年10月25日

チェーソーと薪ストーブ

このチェンソーこんなに切れないことはないのだけれど。
確かに古いが、もっと切れたはず。
エンジンンは快調なのに。

アーッそうか刃が研がれてないのだ。
長いこと使ってないから。
刃の研ぎ方、一から教えてもらう必要がある。
誰に教えてもらうかな。
あの人この人思いめぐらす。
居た、あの人なら絶対上手いはず。
すぐ電話を入れる。
「チェンソーの葉の研ぎ方、お宅のご主人、上手ですよね」
「うちのお父さん、しょっちゅう研いでますから」
「今いらっしゃいます」
「今、裏山に行って、薪をとりに行ってますから」
「今行っていいですか」
「どうぞどうぞ」

急いで、樫山(旧清里村の役場あったところ)の奥の別荘地の中に住まわれているご夫婦の家に行く。

薪小屋にびっくりするほどの薪が積んである。
ゲージを当て刃研ぎの伝授。

年期がはいいていて中ほどがすり減っている。
「お宅にあったの見ていますよ」
「確かに、自分も持っているのを覚えているのですが、何せあの物置がごみ箱状態じゃないですか、どこに行ったか、探せませんね」
「全部研いであげますよ」
「えー良いんですか。すいませんね」
この人にとってはあーッという間の作業。

まーお茶でも飲みませんか

玄関に招き入れていただいて、中を見た途端
「あーッ」と小さく叫んだ。
(忘れていた空間。これがゆとりの世界なのだ。これが人らしい生活)
以前何度かお伺いして、知っていたはず
なのに、ペンションの忙しさが日常化し、私は何をしているのだとの疑問が湧き上がってくる。
大きな薪ストーブの中に揺らめく優しい炎。


紅茶を頂き、周りを見回す。
古い柱時計は3時で止まっている。
小奇麗に、何かかにかと、小物が飾り付けてある。
決して高価なものではないが、すべてがしっとりとおさまっている。

電話を手にして、家内を呼ぶ
「今、紅茶を頂いて、座っているのだけど、忘れていた、人らしい空気がここには流れているんだよ」
「知っているよ、そうだと思っていたもん」と電話の向こうで謂う
「そうなんだよね、貴女には働かせっぱなしで、ごめんね。来週、君を連れてくるよ。ここでお茶を飲ましていただこう」
その先は声が詰まって喋れなかった
考え方、生き様を変えなきゃ

持ってきたでかいサツマイモのお礼にと、自家製のなめこと薪を一籠 お土産にもらった。
こちらのご夫婦にはずいぶんお世話になっている。

時計は巻戻せない。
だけどどうにかこの空間にこれから先幾らかでも身を置くことを考えねば
でないと、こちらのご夫婦に申し訳ない。

いや、人間らしい生活をしないと、サラリーマン時代夢に描いたペンションライフをしてないという事なのだ。

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